求人募集しても全然応募がない!と悩む担当者が今すぐできること。年々若返る葬儀業界の成功事例と共にご紹介

求人を掛けても全然来ないと悩む担当者

「求人募集をしても全然応募がない…」

そんな悩みを抱える中小企業の採用担当者の方、多いのではないでしょうか?

この記事では、5年でスタッフを倍増させ、ドライバーの平均年齢を下げることに成功した株式会社ハース・ジャパンの事例を基に、求人が来ない時に試すべき効果的な手法をステップバイステップで解説します。5年間で40名以上を採用し、高齢化が問題視されるドライバー職の平均年齢は40歳を切りました。この採用を中心的に行った弊社代表がその内容を余すことなく文字にしております。

求人に関する悩みを持つ葬儀社はもちろん、葬儀業界全体の助けになりましたら幸いです。

すぐに実践できる具体的な施策から、長期的な視点での改善策まで網羅しています。この記事を読めば、きっとあなたの会社の採用活動も成功へと向かうはずです。

知らない方のために事例として出る株式会社ハース・ジャパン(以下:HJ社)の説明を簡単にさせて頂きます。

株式会社ハース・ジャパン(https://hearse-japan.co.jp/)は愛知県名古屋市にある霊柩専門の運送会社です。営業所は愛知・岐阜・静岡・東京にあり、今年から大阪・長野にも展開しております。名古屋という都市にある故、採用は比較的かんたんに思われるかもしれませんが、愛知県はトヨタやその関連会社の採用が活発で、工場勤務の期間労働者で年収500万(福利厚生やボーナスを含むケースあり)を越える募集が多数あると共に、物流系でも多くの求人があるエリアです。また、本社こそ名古屋にありますが、営業所や豊川市や岐阜市、可児市と名古屋以外の場所にもあり大都市にだけあるわけではありません。

求職者以上に仕事の選択肢が多く、有名企業や高額報酬が見込める都市や働き盛りの世代や若い人が都市部へ出ていきやすい地域でも出来た手法となりますので、自社の規模はもちろんエリアに限らず何かしら活用頂けるノウハウがあると考えます。

目次

1. 求人成功の秘訣!応募者を惹きつける5つのポイント

はじめに求人への応募を増やすためには重要な5つのポイントをご紹介します。この5つをもれなく実施した結果が今回ご紹介する事例となります。そして、このあとにHJ社の事例と合わせて5つのポイントをいかに実践したかをお伝えしていきます。

1-1. 競合・求職者を知る

まずは、自社の競合となる企業がどのような求人を出しているのかを徹底的に調査しましょう。できることなら「求職者」になったつもりで見てください。そうすることで今まで見えていなかったものが見えてきます。

①求人を出すエリアの業界・競合を知る

求人を出そうと考えているエリア内で同じ業界の企業がどのような人材を求めているのか、どのような条件で募集しているのかを把握します。この記事を読まれている方はおそらく葬儀業界でしょう。ただ葬祭専門業者もあれば、様々な事業を展開する企業が葬祭業も行う場合もあります。JAや互助会がその代表例で、JAなら農業・金融といった事業があり、葬祭関連でもお花屋物品を扱うケースもあります。互助会でも「冠婚葬祭」を募集によっては「配属は入社後決定」なんて場合もあります。募集をかけるエリアでどのような業者があるのかを把握しておきましょう。

また、求人を出すエリアに参考となる企業がなければ近隣の都市や同じ都道府県内で調べてみてください。全国を見るのもひとつの手段ですが、想像以上に都市部と地方の報酬の差がありますので注意が必要です。

②サイト・雑誌など掲載したい媒体を分析する

次にサイトやメディア、求人媒体の分析です。はじめに自分たちが出そうと考える媒体を調べてください。無料で出せるネット系の場合は「有料広告を利用している求人」も意識しながら見てもらうと良いでしょう。気にしていただきたいのは以下の点です。

  • 募集のタイトル、目立つ文章とその訴求ポイント
    (例:報酬面のアピール、福利厚生、初心者歓迎、中高年活躍…etc)
  • 画像の有無。画像があればどんな画像か
  • 求人文章の内容とその訴求ポイント
  • 求人エリア、募集人数、募集開始日(記載があれば)
  • 有料求人の有無とその掲載場所・無料版との違い

同業他社だけでなく、求人を出したいエリアの募集内容を見ていると様々な事が見えてきます。
給与、福利厚生はもちろん、どんな言葉でアピールしているのかやどんな写真を掲載しているかです。業界外を見ると求人の雰囲気が一気に変わるケースもありますし、そこから新たな発見もあります。
求人サイトの場合は情報の検索やソート・並べ替えが出来、独自の分析データを開示しているケースもありこういった調査には便利です。雑誌も問い合わせをすると媒体資料が来ますが、ソート機能はなかったり、葬祭業だと細かなデータをお持ちでないケースもあります。また資料にない情報を問い合せて回答をまつ手間もありますので個人的にはネットをオススメします。
参考までに、下記はIndeedに搭載される分析ツールの画面です。エリアや業種ごとのデータが取れますし、平均年収・時給データも見れますので非常に便利です。

Indeedが提供する求人に関する分析ツールの画面

③強みと弱みを明確化する

エリアの競合を知り、媒体毎の傾向などが理解できたら自社の強みと弱みを明確にします。
例えば受注した際の祭壇料の一部が手当としてつくなら「頑張りしだいでしっかり稼げる」と言えるのが強みです。逆に手当が給料の大半を占める場合営業が苦手な方からは弱みになります。一方、分業化が進み与えられた仕事をしっかりこなせば一定の報酬が貰え昇給する可能性もあるなら「真面目にコツコツ働く方が評価さる」というのが強みで、昇給に時間がかかったり成果が直接報酬に結びつかないのが弱みです。
福利厚生がしっかりしてるのが強みだったり、夜勤がないのが強みだったり…これは会社ごとに異なりますし、他社の表現も見ながら検討してください。

「強み」と書いておりますが「特徴」とも言えます。が、あくまで「特徴」としてではなく「うちの会社のメリットだよ」として伝えることが重要です。また、特徴ですから同じエリア内で競合他社が「出来高でガンガン稼げる!」をアピールしているなら「弊社はコツコツ真面目に…を評価します」とすることで、他社を見送った方が応募してくる可能性が高まります。

以上が求人を成功させるために必要な「競合・求職者を知る」です。追求するとまだまだありますが、まずは上記を実践してみてください。次にここで得た情報を基に自社の求人情報を回収してきます。

1-2. 求職者目線のタイトル、文章を作る

次のポイントは求人のタイトルや文章の話ですが、何より大切なのが「求職者目線」です。多くの場合求人を出す企業側都合の文章か必要な情報の羅列になります。しかし、求職者からするとそれだけでは不足する場合が多く、求職者が必要とする情報を明確に伝えるタイトルと文章にすることで求人情報の詳細を見て、応募頂けるようになります。ではもう少し掘り下げてみます。

①具体的なキーワード

求人内容に合った具体的なキーワードをタイトルや本文に含めます。例えば、「未経験歓迎」「高収入」「感謝されるお仕事」など、求職者が検索する可能性のあるキーワードを盛り込みます。1-1で記載した「求人サイト分析」や検索エンジンのキーワード分析なども活用し、求職者が使うキーワードを折り込みましょう。

②メリットを強調

給与や福利厚生だけでなく、仕事の魅力や自社ならではの活動などを伝えます。「働く人は報酬が全て」なんて言う方もいますが、実際には「働きやすさ」や「人々の役に立ちたい」という気持ちでお仕事を探す方も多いですし、高額報酬のお仕事はノルマが厳しかったりことを意外と皆さん知っています。また、あまりにも報酬だけをアピールすると「それ以外はないのか…」と思われることもありますので、会社独自のメリットを強調するのが良いでしょう。

③読みやすさも意識する

長文にならないように注意し、箇条書きや太字などを活用して読みやすくします。一方で箇条書きだけでも冷たいのでバランスが重要ですが。また、業界外の方も見ることがありますから専門用語を避けるか、説明を入れるのが良いでしょう。

④入社後のスケジュールや1日の仕事を伝える

実際に入社したら、どんなキャリアプランが描けるのか?昇進できる?この仕事をずっと続けられる?どの部署に配属される?見ている方はわからないことばかりです。また「セレモニーディレクター」と言われても知らない方からしたら「お葬式の時に司会してた人ね」ぐらいの感覚だったりしますから、しっかりとその仕事内容を記載しておきます。
わからないことが減ることで問合せのハードルは下がりますし、実際に就職した後に「思ってたのと違った」といって退職となる確率も下がります。

以上が求人のタイトルや文章に関する部分です。実際にはじめると求人媒体・サイト毎に条件が異なります。文字数の制限で言いたいことが伝えられなかったり、逆に「情報がほしい」ってケースもあります。
作業をする際の話ですが、情報は事前に準備しておくのがオススメです。雑誌ですと締切の問題もありますし、ネットだと途中まで入力して保存ができないため、入力した内容が消えて改めて入れ直し…なんてケースもあります。

1-3. 自社求人に関するデータを取る

無事雑誌に求人が掲載された、ネットに公開されたら今度は求人への応募数やクリック率などのデータを収集してください。分析することで、改善点を見つけ出すことができます。ネットの場合は好きなタイミングで情報収集が出来ますので「毎週◯曜日」と決めて定期的に取得し、その推移を比較していくことです。
ネットの場合、求人情報が見られた数「閲覧数」が出る媒体が多く、この閲覧数はタイトルが大きく影響します。本文は申込に影響しやすいので、求人が見られてないならタイトルの見直しが必要ですし、求人は見られるけど応募がないなら詳細を見て「これはない」と判断されたかタイトルと内容が異なっており「違った」と離れて行っているのでしょう。こういうことも継続的なデータ収集からわかります。
データ収集の重要性を理解頂けたと思いますので、改めてその詳細を説明していきます。

①アクセス情報を収集する

求人サイトに関する話です。雑誌やチラシでは取れません。
求人サイトの管理画面では求人毎のアクセス状況が確認できます。定期的にデータ確認・記録し、求人毎の差などを見るためにまずは収集です。定期的に収集しその推移を見ることで変化に気づけますし、修正の良し悪しが判断可能です。例えばどのタイトルだと閲覧が多いのか、どの文章だと応募に繋がっているのかなどを把握することで、効果的なタイトルや文章が見えてきます。
下記はIndeedの画面です。一部はマスクを掛けておりますが応募者数やクリック数が見れるかと思います。 

長く運用することで季節ごとの需要が見えてきますので、求職者が増えるシーズンに広告を集中投下することも可能です。「季節」と書きましたが曜日でも変化をします、。

②応募経路を把握する

次に応募があった際は「どの求人を見たか」を把握し記録してください。雑誌の場合は「どの場所で入手したか?」が重要ですし、ネットの場合は「どのサイト・どの求人情報」が重要です。チラシを複数回出す場合は「どのタイミングか」が重要だったりします。
これらを収集することで①と同様に「どの文章が良いか」がわかりますし、次回以降では予算を集中すべきか媒体を変更するかがわかります。更に言うと媒体毎に集まりやすい業種があったり、年代層もあります。HJ社のケースですと社員募集やIndeedやengageといったインターネット系が強く、パートやアルバイトは求人雑誌(ネット併用)が集まりやすいというのがありました。これについては後ほど詳しく説明します。

③効果測定をする

施策ごとの効果を測定し、改善につなげます。
単純に「どの媒体から何件応募が来たか?」だけでなく、媒体ごとに来る人の年代や職業、経験の有無が違うとか、また入社後に続きやすいのか辞めていくのか…など。また採用の前の段階でタイトルを変えたら閲覧が増えた・減った、応募が増えた・減った…など。
タイトルや文章を変更し、求人媒体を変えて起きた変化を把握しておくことで費用や時間を無駄にせず募集活動が可能となります。参考程度ですが、下記はHJ社で使っている各媒体のアクセス・応募・広告費のデータをまとめているものです。基本一週間に一回各サイトのデータを記録し、変更などがあればその内容も記載します。ここまでとは言いませんが、意識をしながら運用頂くのが重要です。
下の画像は実際に使用している画面です。

一部機密もあるのでマスクをかけておりますが、一週間に一回は閲覧数や応募者数のデータを記録し、その数位を把握しております。また、枠外になりますが上には日付、下にはメモ欄がありメモ欄には行った変更を記載しております。
「そこまでやるか…」と思われるかもしれませんがWEBマーケティングではごくごく当たり前のことであり、その一部の業界では当たり前の努力をするだけでまだまだ採用ができる状況ではありました。また、何より「無駄な努力」や「余計な費用」を抑えるためにも活用できるからこそデータ収集は重要であると言えます。

以上が採用を成功させるために必要なデータ収集です。データが全て正しいとはいいませんが、やはり何かしらのヒントをくれるものデータです。特に継続して収集し、時系列でデータを見ることで様々な情報や気付きが得られます。是非とも自社のデータを収集し、記録して行ってください。それは必ず資産となります。

1-4. 継続的に改善する

競合を調べて、自社の求人に反映し、データを収集…したら終わりではなく定期的に見直し、改善を繰り返すことが重要です。よく言う「PDCAを回す」ですね。市場も求人媒体も日々変化しています。HJ社の管理でも何度か絶望的に応募が来ない時期も経験しました。が、継続的な改善により採用が出来ているので是非とも求人情報は継続的に改善してください。
その代表的なものを記載しております。

①情報の更新する

給与や福利厚生などの情報は、常に最新の状態に保ちましょう。よくあるのが「最低時給を守っていない」「表記が今の法令に適していない」です。HJ社は運送会社に属するため2024年問題に関して残業の表記が何度か変更しました。また給料見直しをしても変化しますし、営業所が増えても変化します。
「ついうっかり」もありえますが、応募する側からすると掲載された情報と実際の情報が異なると不信感を抱きます。その不信感により、応募者にプラスとなる情報を聞いても「これも実際は違うのではないか?」と思う可能性があります。ですから情報は必ず最新に保つとようにしてください。
HJ社では情報掲載者と別のもう一人でチェックを行います。それでも複数媒体に求人を掲載しているとズレやミスが発生しますので、細心の注意が必要です。

②求人に記載される表現を見直す

何度か出てきましたが、求職者の反応を見ながらタイトルや本文の表現を変更していきます。
ネット系の場合ですがタイトルは求人情報の閲覧数に影響しやすく、本文は実際の応募に影響しやすいです。タイトルは求人をする際にサイト内で検索を行いますが、その検索に関連するキーワードが含まれているか?や、一覧表示された際に求職者の目に留まるか?といったことに影響しています。魅力的なタイトルだと求人票がクリックされやすくなり、閲覧数が増えやすくなります。
一方、本文は求人をクリックした後に見る内容です。タイトルをみて期待してクリックして「思った通り、良さそうな仕事だ」と思えば応募をするわけです。逆にタイトルと違ったり、よくよく読んでみて自分が思った仕事と異なると応募に至りません。ですから閲覧数が多いけど応募がないと「本文が悪いのではないか?」とか「タイトルで煽りすぎてないか?」ということを考えます。

少し話はそれますが、雑誌や有料求人コンサルの一部はタイトルや本文で煽ります。言うな「すごくいい仕事」に見せかけて応募させるわけです。理由は簡単で、応募が増えると企業は「あの媒体はいい」「あの会社に任せたら応募が増えた」と継続利用に繋がるからです。
ただ、実際には全く的はずれな人が集まり面接しても全然決まらなかったり、採用に至っても早々に退職するケースもあります。このような雑誌やコンサルばかりではありませんが、HJ社でも経験しておりますので注意が必要です。詳細と対策は後ほど記載します。

③新しい媒体を使う。新しい施策を実施する

新しい媒体やサイトはどんどん使っていきましょう。また新しい施策を積極的に取り入れることで変化があります。
例えば求人雑誌人掲載する場合には掲載する雑誌を変更する。求人サイトなら複数サイトに掲載したり、有料版を使ってみる。また、SNSを開設したりWEBページの見直しもあります。
昨今、応募者の方は求人サイトだけで判断はしておらず多くの場合は検索サイトで様々な情報を収集しています。よくある転職サイトのクチコミを見たり、公式WebやSNSを見たり、更にはGoogleなんかのマップにある評価も参考にされていると言います。ネットに公開される情報はもちろん身近な方に聞くケースもありますし、応募する予定の会社に限らず業界全体の情報を収集されるケースもあります。
単純に葬儀を依頼した方のクチコミが良いのを見て「私も感謝される仕事がしたい」と求職者が殺到している会社もしっています。そちらは転職に限らず、利用者の声も含めてクチコミをしっかり獲得すると共に情報発信も行っております。その手間こそかかりますが、有料求人を使うことなく毎年数名の採用を行なっており、皆さん「この仕事がしたい」と高い志を持って応募されるとのことです。

最後の例は特別かもしれませんが、求人サイトや雑誌に記載するだけではないですし、その改善をすると大きな成果があるということも含めて知っていただければと思います。そして、それは改善し続けることが重要であるためこちらで説明いたしました。

以上が現場レベルで対応できるものです。最後の5つ目は経営者の方やそれに近しい方、また会社での判断が必要なことではありますが、非常に重要であるため合わせてご検討ください。昨今の物価高や賃上げの風潮により、決して他人事ではありませんし採用にも大きく影響します。

1-5. 報酬・評価制度を見直す

給与や福利厚生などの報酬は、求職者にとって重要な判断材料です。競合他社と比較して、自社の報酬が魅力的であるかを見直しましょう。どの会社も気軽に報酬アップが出来ないのは重々理解しておりますが、最低時給にも満たないケースや「葬儀業界」という特殊な職業ながら「地域で一番安い報酬」では採に影響を及ぼします。単純な報酬アップに限らず様々な方法がありますので対策をするのが重要であると考えます。

①競合やエリアの給与水準を調査する

同じ業界や地域の給与水準を調査し、自社の給与が適切であるかを確認します。求人サイトや転職エージェントの情報を参考にしたり、業界団体が発表しているデータなどを確認したりすることで、最新の給与水準を把握できます。
ここで重要なのは「地域」や先の分析で出てきた「ライバル」の中でのポジションです。また、応募していただきたい人が採用されるであろう会社や職種も参考にしてください。

②福利厚生の充実させる

給与だけでなく、福利厚生を充実させることで、求職者の満足度を高めます。住宅手当、通勤手当、資格取得支援制度、育児休暇制度など、様々な福利厚生を検討し、自社の魅力を高めましょう。報酬以上に手厚い福利厚生や手当に魅力を感じる方もいますし、お金だけでなく「育休のとりやすさ」や「夜勤なし」ということで応募が増えたケースもあります。

③報酬体系・評価制度を見直す

単純な報酬ばかり気にされますが、実は応募者の方は報酬体系や評価制度も気にしています。
成果に応じてインセンティブが付くのか、きちんと残業代が払われるのか、みなし残業があり給料の上下幅が大きくないか。また、年齢給などがあり勤続年数で給料があがるのか、逆に若くても上に行ける評価制度なのか…などです。報酬額もそうですが、報酬が上がる可能性も重要ですし、その上がるための評価制度がわかりやすくなっているのもポイントです。

以上が応募者を引き付ける5つのポイントです。5つとはいえ奥深いものでもあります。できるものから一つずつ取り組んでいただければと思います。
次は5年でスタッフが倍増し、その数倍の応募者を集めたHJ社の事例と共に紹介いたします。自社に合わせて活用頂けましたら幸いです。

2. 5年でスタッフ倍増!ドライバー平均年齢が年々下がる会社が実践した求人戦略

ここからはHJ社が実施した内容を順に説明していきます。私が2019年後半から採用サイトの管理を担当し、試行錯誤しながら約4年間でためたノウハウと実績です。スタッフは倍増し、応募はその数倍ありました。幸いなことに「自社に適した人」を選びながら採用でき、なおかつ平均年齢が50代の会社も多い運送業界でドライバー職に限っては平均年齢が30代に入っております。
何をしたかといえば先の5つのポイントを徹底した次第です。この章では実施した内容や失敗も含めて記載しておりますので、是非とも自社の採用活動に活かしていただければ幸いです。

2-1. 競合を知り、自社の強みを見つける

はじめに行ったのは求人を出すエリアの競合・求職者のニーズを調べました。
霊柩搬送を行うHJ社の競合となるのは他の葬儀業界だけでなく、運送業界も含まれます。トラックやタクシー、ルート配送の運転手などがありこれらの企業は、ドライバー職の募集において一般よりも高い給与を提示していることが多く、人材獲得競争で不利な状況にありました。
そこで、HJ社では報酬ではない部分で比較して頂くための文章へ切り替えることにしまし、トラックやタクシー・出来高制の仕事にないメリットを強調することしました。

①掲載媒体を決め、エリア内の競合を調べる

まずはじめにしたのは掲載する媒体の決定です。最初は予算もなかったのと、データ取得ができるのでインターネットの無料求人サイトへの登録を決めました。媒体としてはTVCMもして認知拡大をしていたIndeed、Googleで「求人」と検索して上位表示されたengageの2つにしました。他にもありますが一旦はこの2つです。

掲載媒体が決まったので次はそのサイトや他の求人サイトで同業他社の求人や、他業種も含めたエリアでの報酬を見ていきます。当時はコロナ前で記事を書いている2024年ほどの人手不足ではなかったのと、インフレ傾向もなかったので基本給が20万前後がほとんどで、一部のドライバー職や出来高の営業では50万や60万、または年収で1000万といった数字が出ておりました。
なお、HJ社の本社がある愛知県はトヨタ系の期間工募集が強く、入社祝い金で数十万払われたり、ボーナス込で年収500-600万の募集が目立ちました。正直、これらは太刀打ちできないと判断した記憶があります。

②求人サイトで検索されるキーワードを調査する

次に掲載予定の求人サイトでどんなキーワードが検索されているかを調べました。また、並行してSEO用のキーワードツールを使用して、どのような検索がされているかも調査しています。

なお調査方法の詳細については省きますが、Indeedの場合だと求職者が見るページで検索窓をクリックすると他の方が検索されるキーワードが表示されます。これはサジェストといって検索をスムーズに行うための機能ですが、ここに「皆がどんな検索をしているか?」が隠れています。

上記は検索窓をクリックした状態です。「正社員」「アルバイト」はもちろん「主婦パート」「土日休み」といったキーワードが見えることで求職者のニーズがうっすら見えます。次に弊社の場合だとドライバー職なので「ドライバー」を入れると下記のような画面に変わります。」

画面が切り替わり「ドライバー」に関連するキーワードが並びました。「大型」や「土日祝休み」はありますが「夜勤」「wワークok」といったニーズはなかなか気づかないのではないでしょうか。このように求職者のニーズを知り、求人票に反映してくことが重要です。もちろん自社で出来ないことは無視して結構です。例えばHJ社なら定年が60歳なので「60歳以上 シニア アルバイト」は使えません。また「週1日」も不可ですから除外ですし、配送や大型は関係ありません。
このノウハウを身近な方にお伝えしたのですが「うちには当てはまらないから求人は無理だ」と仰る方もいましたが、それは違います。あくまで「検索が多いキーワード」ですし、HJ社でもしっかり取れているのでキーワードが使えないからといって諦めてはいけません。

キーワードツールを使ってGoogleやYahooの検索キーワードも調べ、求人票の文言には使用しました。なお、このキーワードは「世の中の需要」ですから媒体を変えても使えますし、それこそ紙媒体や動画でも使用できます。是非とも自社が使えるキーワードを調べておくと求人が楽になることでしょう。ツールだけ紹介しておくと私はラッコキーワードを使用しています。

ラッコキーワード:https://related-keywords.com/

キーワードを一つ入れるとそれに関連するワードが提案されます。しかも検索エンジンごとやSNSでの検索データも見れて便利です。なお、無登録だと早々に制限がかかりますが、求人用の検索程度なら無料会員でも十分と言えますので個人的には無料会員で使うのをオススメします。もちろん自社WebのSEOやSNSでも活用するため有料登録するのも一つですが。

キーワードは長くなりましたが、それだけ影響が大きいものです。特に求人サイトで検索されるか否かはこのキーワードにかかっている部分もありますので是非とも時間をかけてください。

HJ社でもキーワードの見直しにより明らかに求人票の閲覧数が増え、同時に応募も増えました。この後別の問題が発生しますが…まず応募がないという方はキーワードのチェックと、この後記載する求人票への反映です。

③霊柩搬送を行う他社との比較する

次に直接の競合、霊柩搬送を行う会社や葬儀社の求人を見ました。求人をかけるエリア毎に5-10社ほど、更にドライバー職や近しい仕事に絞り込みました。セレモニーディレクターを入れると仕事が異なるのと、報酬面でも出来高により大きな差が開きますのでこちらは対象外としました。
報酬面では月収20万前後。「経験者優遇」とありますが報酬は一律表記でどのような優遇があるかもわからない求人があったり、仕事の詳細がない求人もありました。他にも業界用語、専門用語、一般の方がわからない言葉もあったので自社の求人票にはそれが出ないようにと考えました。詳細については後ほど記載します。

④HJ社の強み(対タクシー・トラックのドライバー職)を出す

  • 中長期で仕事ができ、多くの方に感謝される仕事
  • 霊柩車のドライバーは「依頼があれば走る」スタイルのためノルマや営業は一切なし。
  • 業務委託は待機中に報酬はないケースもあるが、HJ社は待機中もしっかり報酬が発生する旨を説明。
  • 年2回の評定会議があり、スタッフの8割以上が毎年昇給している。

代表的なものは以上となりますが、他にも様々なものを出し文章に入れては反応を見ました。文章の効果があったなと感じる瞬間として、面接の際に「ノルマはないんですよね?」「(前の業務は)波が激しくて、安定した報酬が良かった」といって頂けたことです。
HJ社では社内で既存スタッフへのヒアリングも行い、どんな部分にメリットを感じHJ社に入社したかを聞き求人情報に反映させました。

⑤おまけ:求人に必要な情報を収集しておく(報酬・福利厚生・労働時間など)

まけとしておりますが実は重要なことです。いざ求人サイトへの登録をはじめると様々な情報を求められます。
例えば最近ですと1ヶ月の労働時間が必要になりますし、みなし残業がある場合はその時間とその時間分の報酬を別途で記載する必要があります。また、次の項でも出ますが「福利厚生あり」では求職者の方は疑問が残るので、その福利厚生や手当を細かに記載する必要が出ます。求人サイトや求人媒体への掲載は世間に公開しますので事前に関係部署や担当する役員の方に相談の上、どのような記載をするかを確認しておく必要があります。

これらの作業を求人票を作り始めてから集めだすと思った以上に時間がかかり、求人公開のタイミングが遅れる場合があります。特に葬儀業界ですと11月からは繁忙期のため、その前に求人・採用・教育が必要です。情報収集で手間取り8月に行う予定だった募集が9月になり採用決まったのが10月。10月に決まったので前職の退職などで11月1日初出社…なんてこともあります。事前に集められるものは集めておきましょう。

以上がHJ社で行った「競合・求職者を知る」の作業です。これだけでなかなかのボリュームですが、実際に準備あってこその求人票です。この準備を怠るとどれだけ採用費をかけても人が来ないとか、またはミスマッチばかり発生する可能性があります。是非とも時間と手間をかけて準備をしてください。

2-2. 求職者が必要な情報を伝える求人票

次に求人票の作成です。先に収集した情報を使い、求人サイト毎に調整を加えながら求人票を作成します。重要なのは求職者が知りたい情報を具体的に記載することです。実際の作成というよりは、ポイントとなった部分を記載していきます。

①1日の仕事の流れを掲載する

葬儀業界・運送業界と求人情報を見る中で不足していたのが「1日の仕事の流れ」でした。ここは重要な上に多くの方は「霊柩寝台業務」を知らないでしょうから簡単ではありますが記載をしました。また、合わせて「待機」も多く発生し、業務が葬儀社からの依頼ベースで発生するため残業にもなりやすい事をいれました。
中長期の変化ですが、詳しく情報を掲載するほどに葬儀業界でも運送業界でも無い方の応募が増えました。これ以外の要員もあるのですが、やはり「仕事がわかる」は重要です。

②入社後の流れやキャリアパス、評価制度を掲載する

①同様、重要だけど他社が記載しているのが少なかったのが入社後の研修内容やキャリアパスでした。
入社後の流れや研修については期間も含めて記載をしました。文字数の都合で簡素化するケースもありますが、できる限り業界や業務を知らない方がイメージできるように気をつけました。
またキャリアパスについても気にされる方が多いので、先輩方がどのように昇進したのか、どのような仕事をしているのかも簡単に記載し、応募があった際や面接の際に詳しく説明をしています。合わせて評価制度がある旨、その評定会議が年2回あり、それが昇給のチャンスである機会も記載しました。

③給与、手当、福利厚生、残業時間などを明確にする

給与、手当、福利厚生や残業時間を明確に記載しました。求人サイトから求められるのもありますが、求職者はこれらの情報を重視するため、曖昧な表現は避け、具体的な数字を提示することが重要です。手当なども「各種手当て」ではわかりませんから「長距離搬送手当」「ガソリン補助」と具体例を出しつつ、文字数の制限などがあれば「など」とまとめております。

④マイナスに取られそうなことも記載する

これも他社をみて思ったことです。どうしてもマイナスになりやすい「残業」「みなし残業」を隠す傾向にありますが、HJ社の場合はしっかりと記載しました。

先にもありましたが業務の都合上、どうしても残業が増えます。実は、私が参画する前はこの記載がなく「残業が少なそう」になっておりました。確かに応募は増えますが定着率は非常に悪く、多くの退職理由が「残業が多い」でした。業務の都合上、どうしても突発的に仕事が発生しますし、結果的に時間内で業務を終えることが難しいです。ですから隠さずしっかりと記載するようにしました。結果、応募の絶対数は減少しましたが「残業が多い」という退職理由が減りました。
なお、そのまま「残業が多いです」と書くとマイナスだけなので「待機も仕事です。急なご依頼に対応頂くため、事務所で待機する時間もお仕事です。もちろんその時間にも給料は出ますし、残業代はしっかりお支払いします」と記載しました。ごくごく当たり前のことですが、この記載がないケースが本当に多いんです。また、ごく一部ですが業務委託契約とし待機時間にお金を払わないケースもあるというのがわかりました。
余談ですが「業務委託」でも待機場所や時間を指定した場合「労働」です。過去の判例で「労働の対価を払え」となってますので注意が必要です。

結果的にですがこの記載をすることで定着率があがりました。もちろん記載することで「他にしよう」と離れていく可能性はあるのですが、その方をなんとか採用しても継続性はないので問題ないと考えます。
なおHJではそもそも亡くなった方に触れるのが初めてという方も多いため、採用後1ヶ月毎にヒアリングをしたり、一定期間が経過するまで特定の案件のみに従事するなど「働きやすさ」「覚えやすさ」にも改善を加えております。これらも採用に関する情報収集の中で見えたものですから、是非ともこの記事を読まれている方も業務の見直しを含めた採用をしてみてください。

⑤皆が検索しているキーワード・言葉を使い専門用語を避ける

先に求人サイトやツールを使ってキーワードを調べていました。このキーワードは求人作成時に活用されます。

例えば「土日休み」と「週休二日」はほぼ同じ意味で使われますが、サイトによってはどちらかに検索が集まる傾向にあります。HJの場合ですと契約ドライバーは週2-3日から勤務ができるので、検索されやすい「週休2日」と「土日休み」を活用し「週休2日以上、土日休みもOK!」といった記載をしました。
他にも「ドライバー」と「運転手」は同じ意味ですがどっちのが検索されやすいのか、とか。最近では「セレモニードライバー」なんて書き方もありますが…実際はアクセス数が減りましたので「霊柩車のドライバー職」といったスタンダードな形にしています。

また専門用語も避けるようにしました。「寝台車」というと電車をイメージされる方も多く、ミニバン型の霊柩車や寝台車を知っている方が限られることがわかっていました。これは他業種求人を見たり求人サイトで「寝台車」と検索をしてみると葬祭業界しか出てこなかったためです。ですから「寝台車と呼ばれるミニバン型の霊柩車」と記載をしたり、読む方が「?」となって止まらないようにキーワードを選びました。

以上のようなポイントを意識しつつ求人票を作成しました。

2-3. データを収集し改善策を出し実施する

求人の掲載が開始しました。先にもあった通りデータ収集が始まります。ここではまとめて記載していきますが、5年間の間に様々な改善策が出ては消えていきました。その中でも代表的なもの、効果があったもの、同じようなミスがありそうなものをピックアップしています。

①タイトルの変更でアクセス・求人閲覧数が変化する

まずは代表的なもの、タイトルの変更です。これは求人サイトにより「サブタイトル」「キャッチコピー」と名称が異なりますので、ご自身が使う予定のサイトに合わさえて読んでみてください。また、私も経験しましたがサイトの仕様変更でタイトルの変更を余儀なくされたケースもありました。

タイトルは検索時に使用されたワードが入っていると「検査してるのはこれじゃない?」と上位表示に繋がります。これ以外の要素もありますが、タイトルと検索ワードの一致は大きな要素です。また、求職者の方も「正社員」で検索した際、「正社員募集!」と「アルバイト募集!」では全社の求人情報を見ることでしょう。ごくごく当たり前のようですが、このキーワードが変化していくとそのズレに気づかないケースもありますので注意が必要です。先にもありました「土日休み」と「週休2日」は同じ意味で使う人も居ますが、実際には異なります。週2日、好きな日に休みたい方には「土日休み」はミスマッチですし、その求人票を見てみようとは思わないでしょう。

タイトルの重要性は理解頂いたと思います。募集情報を掲載しなおすたびにタイトルを変更し、掲載から翌日、3日後、1週間後の閲覧数の推移を見ます。良いタイトルはこの数値が増えますし、悪いタイトル(検索されない・求職者が求めてない)場合は数字が減少します。なお季節的な上下もありますので、あえて複数の営業所で異なるタイトルを使いました。
例えばですがA営業所は「ドライバー募集」でB営業所は「運転手募集」で掲載します。一定期間経過の後、今度はA営業所を「運転手募集」でB営業所を「ドライバー募集」とします。地域差もあるのですが数字の変化はでます。Aが後半増えて、Bが後半で減った…では「ドライバー」よりも「運転手」がいいな、と。
注意したいのがここで「『ドライバー』がだめだ、二度と使わない」ではなく「今はやめよう」ってぐらいで、後々改善策に詰まったら「ドライバーつかうか」としております。

②本文の変更で応募数(応募率)を改善する

タイトルを変えて閲覧数が増えたものの応募が来ない。もちろん見た人全てが応募するとは思いませんが、一体見た人のうち何%ぐらいが応募をしてくれるのか?そんな疑問がわき調べたところ「100回閲覧されて1件の応募」が一つの基準であるとわかりました。もちろんこれは媒体や給料、その他募集要項によって異なりますが求人サイトの営業さんとお話をしてもこの数値が出たので一つの基準として良いでしょう。

改めてHJ社の求人を見てみると100-150回閲覧され1件の応募で決して悪いわけではないことがわかりました。ただし「応募が来ない」と思った募集については150回とやはり平均よりは応募の率が低いので本文の見直しをしました。細かなところは先のキーワードの見直しや言い回しの変更もありますし、スマホ表示を意識して文章の区切りを変えてみたりしました。現在のこの記事もPCで作成し、求人票もPCで作成しておりますので気にならない事もスマホになれば異なります。ましてや今、インターネットを利用する方のメインはスマホです。すごく当たり前ですがこういった「応募者目線」も重要です。
少し異なりますが画像を掲載する際もこの「スマホを意識する」は重要です。PCの画面やスマホ・タブレットの全画面なら分かりやすい画像も、求人票の中に縮小表示されたり、一覧画面に小さく表示された途端に見えなくなるケースがあります。これも改善になりますが、実際に求人を掲載してみて、求職者が見ている画面を見て判断をします。ここで注意したいのが求人票の管理画面などがから移動して直接求人票を見る場合です。この動作をすると「求人票」は見えますが、検索時の一覧表示はわかりません。一方、お金がかかった大手企業の求人をみると見やすい画像や、小さい表示でも認識できる文字や内容となっております。些細なことですが、こういった小さな努力の積み重ねが大きな差をお見ますので面倒くさがらずに実施してください。

③タイトル、本文の再調整でミスマッチを減らす

求人票の内容を改善した結果、応募数が急増しましたが、中には自社が求める人材像と異なる応募者も含まれていました。私が担当する前は数ヶ月に1件も応募がない状況でしたから1週間に数件の応募がある状況は「大成功」に見えました。しかしここで新たな問題も発生します。

その問題はミスマッチです。求人票にある程度情報を記載したつもりでしたが、いざ問合せが来たり面接の際に「思ってたのと違う」となるわけです。HJ社の場合ですが当初は仕事の詳細が抜けて追ったため「運転好きなんで」とか「運転だけしてたい」という方も結構応募を頂きました。葬儀社の方ならご存知でしょうが、霊柩搬送でも「究極の接客業」といえる対応を求められます。大切な方を亡くしたばかり…気が動転している、悲しみが深い、何もやる気が出ない…様々な状況の方と接しつつ、故人様の移動をサポートするお仕事です。これを「運転だけしてたらいい」と思ってくると、仕事の詳細を聞いている段階で「なんか違った」とお断りされる方が多数いらっしゃいました。

そこで、求人票に「厳しい話」「大変な話」を記載することで、ミスマッチを防ぎ、面接後のお断りを減らすことができました。応募が少ないとどうしても「誰でもいいから来てくれ!」となりますが、面接の時間も必要ですし入社後に仕事を覚えて頂く時間もあります。何ヶ月も仕事を教えた後「思ってたと違うので辞めます。」というケースを何度か経験したため、このような措置をとり、結果的に「人と接さなくていいよね」といった方の応募が激減しました。逆に強い意志を持った方が応募頂けるので、結果的に良い施策だったと言えます。

他にも「こんな方にはオススメの仕事です」と求める人のイメージを伝えました。これも少なからず効果があったと言えます。

④電子式の履歴書提出を必須化し、PCスキルを見る

もう一つうまく行った施策として、履歴書の提出を電子化した事があります。
HJ者は業務上PCの操作をします。オフィス系ソフトも使いますし、チャットツールも使います。会社ですから業務のための操作は教えますが、パソコン・スマホ教室ではないので基本的な操作はスキルが応募の条件となります。

しかし「出来ます!」と言いって採用してみたら、実は出来ないケースが多発しておりました。PCは業務の報告にも使いますし、日々のコミュニケーションにも使うので「入ってから覚える」では遅いのです。現場では「電源のつけかた、消し方」から教えている時もあったほどで、そんな方は普通のスタッフ以上に教育に時間も手間もかかります。また、その条件を理解し応募したスタッフからすると「なんで?」ともなるわけです。

この対策として実施ししたのが「履歴書はメールで提出」です。PDF形式の添付ファイルを理想形としつつ、一応紙をスキャンしたものも認めておりました。この変更によりPCスキルが全く無い方は応募ができなくなりました。一方「家のPCが無いので」という方も手書きのものをコンビニでスキャンされたり、スマホのカメラ・アプリで撮影・データ化しメールメールで送って頂くケースがありました。正直、私が判断する立場だったので「工夫」として受け入れておりました。ただ、面接の際には再三「PCで作業をするし、入ってから覚えるはNG」と伝えたので、入るまでに勉強された方もいました。

一方、ここまで条件を緩めても電話をしてきてあれこれ理由を言って履歴書を郵送する方や、何も言わずに送ってくる方もいらっしゃいます。正直、募集要項も読まない、応募のルールも守れない、せめてもの相談も出来ないとなれば実際にお仕事して頂く際にも「マイルール」が適応されそうなのでこれらの方は基本お断りとしました。そもそもですが、求人サイトはインターネット上にありますし、その応募はネット上でやってるわけです。そこまで出来たならあと一歩ですからね。「全く使えない」ではなく、その作業だけ出来ないわけです。そして、ほぼ同様の作業を行うために応募条件にしているので「条件を満たさない」というわけです。

最後にPCが使えない方がほぼ入らなくなり、既存スタッフも「まずい」とPCスキルを磨いていったのも一つの成果と言えるかもしれません。

⑤同じ募集を再掲載する際に写真を入れ替える

これもタイトルと同様ですが、一部のサイトに掲載する画像を見直しました。当初は車だけの写真だったのですが、スタッフが写った画像に切り替えました。また、途中からは業務毎に写真を変えたり、募集する営業所のスタッフにお願いして業務や営業所の様子を撮影してもらい、求人サイトに掲載するようにしました。

ちょっとした注意点ですが、かならずスタッフには掲載の許可を得るとともに簡単な覚え書きを作成しました。アルバイトの方だと外でも働いていたりしますし、正社員でも退職する可能性があります。後からトラブルになることを避けたり、写真の使用用途を「求人サイトと関連するもののみ」と確認する意味でも書面の取り交わしをしました。

タイトル同様ですが、写真によるアクセスの増減をチェックし、人気の画像を使うようにしたのですが、一方でずっと同じだと「この求人、ずっと出てるな」となりますので、1ヶ月から2ヶ月で画像は入れ替えるようにしておりました。事前に複数枚用意しておくと、こういった変更もすぐに出来て便利です。

以上が体表的な変更点です。どうしても「応募者数」を見るのですが、本当に重要なのは「いい人が長く仕事を続けられること」です。10人採用し半年後に1人残ったらいい方…なんて会社も聞いたことがありますが、それこそ教育のコストがかかっていますし、教える方も疲弊します。外から見ても「いつも大量募集してる会社」になり、最近では求人サイトのレビューに「思っていたのとぜんぜん違う」と書かれて応募者減に繋がりかねません。ミスマッチは求職者にも雇う側にもマイナスですから避けたいものです。

採用が部署や担当者レベルに任されているとどうしても応募者数や採用数がKPIに設定されがちですが、個人的には採用から1年後に残る率や人数をKPIにし、更に長いスパンで働く方の人数をKGI設定すべきであると考えます。

2-4. 継続して改善する。そのために継続して情報収集する

まとめて記事にしているので「継続して改善する」が実感しにくいかと思いますが、先の項目で記載した改善策の発案と実行は長い期間のデータ収集に、幾度となく実施した改善の結果です。

①継続して改善する、PDCAを回す

タイトルが画像は一覧に表示されるためずっと変更しないと応募者は画面に慣れてしまい目立たなくなります。ですから1-2ヶ月に1回は変更をしましたし、その変更によりマイナスの効果を出すこともありました。その際は別の媒体に出すこともしましたし、この後出てくる「外部情報」に注力した時期もあります。
大切なのは継続してデータを収集し、そのデータから改善策を出し、実施すること。そしてそのデータを収集し…と俗にいうPDCAを回し続けることがポイントです。いかが実施した事の一部です。

  • データ収集: 求人サイトの管理画面やGoogle Analyticsなどを活用し、データを収集します。どの求人サイトからの応募が多いのか、どのキーワードで検索されて応募に繋がっているのかなどを把握することで、効果的な集客方法を検討できます。
  • A/Bテスト: 複数の求人タイトルや文章を作成し、どちらがより効果的かを検証します。A/Bテストを行うことで、よりクリック率や応募率の高い求人情報を作成することができます。
  • 効果測定: 施策ごとの効果を測定し、改善につなげます。例えば、求人タイトルを変更した場合、応募数にどのような変化があったのかを分析し、より効果的なタイトルを作成することができます。

正直、非常に手間がかかります。しかしここまで手をかけていた際に思ったのが、他社が思った以上に応募が取れていないと言うことです。求人を掲載すると必ずと言っていいほど有料掲載や別媒体、コンサルの営業電話が来ました。そして皆さん「応募がないですよね」と言いますが、人事担当が「いえ、こういう状況です」とおうぼ状況を伝えるとみなさんトーンダウンされます。
有料版を検討した際にIndeedの方とお話した際もですが「無料でもできることがあるんです」といって教えていただいたことは既に全て実施しており、なおかつ彼らが知らない方法も使っておりました。結果的に「有料版しかありません」という結論に至った次第です。

有料版については後ほど詳しく記載しますが「100回閲覧に1件の応募」という状況で、100回の閲覧を素早く達成するためのものです。有料にしたから応募が来るわけではありません。ですから「募集を急ぐからとりあえず有料」ではなく「100回閲覧で1件の応募が得られる求人情報」を作ってから広告を出す方が良いでしょう。これも一部の営業から言われましたが「…さんに出されてますが月◯万かけても応募が来ないと聞きます」なんて言われますが、それは募集要項の問題で媒体の問題ではないと考えます。ごくごく稀に全く応募がない媒体もありますが、大手で広告を出して応募がないのは求人情報に問題があるでしょう。

②継続して情報収集する

継続して改善をするために自社の求人情報のデータを取るのも大事ですが、外部の情報を得るのも重要です。

例えば最低時給。求人媒体やよく出来た求人サイトは最低賃金を割り込む募集はできませんが、未だに最低賃金未満の募集を掲載しているところがあったりします。単純に見栄えもよくないですし、会社が労働条件に無頓着であることを外部に知らせているような状況です。ですから常に情報収集が必要です。

他にも最近の賃上げの風潮です。都心の葬儀社でも月収25万~とかが増えておりますし、福利厚生やみなし残業がしっかり記載されています。エリアが違えど上場している葬儀社はこのあたりがきっちりしているので参考にしてもいいですし、Indeedやengageは他サイトに比べてしっかりとした情報を求めてきます。これらに掲載した情報を他サイトに流用していくのも一つでしょう。
「そこまでする?」と思う方もいるでしょうが、応募者側がそういう情報に慣れている中で「情報不足」は単純に応募を避けられる可能性が高まります。また「葬儀屋という商売上、法令が守れないのは仕方ない」と開き直れば、それこそ応募する側も「だったら応募しないのも仕方ない」となり他に行きます。

5年間管理するなかで様々な変化がありました。法令はもちろん、運送業界に限った変化もありましたし、昨今の賃上げのように社会的な流れもありました。こういった流れに合わせた募集も非常に重要であると言えます。

2-5. 求人サイト情報以外の改善点4つ

ここまで求人サイトの文章や管理に関する話が続きましたが、上記以外で行った施策を記載しております。すぐに出来そうなものから、調整が必要なものもありますが参考まで。

応募への返信は当日や翌日

応募がありましたら返信は当日、または翌日です。メールやメッセージ機能での返信を求めていない場合、かつ電話番号があればすぐに電話をします。もちろん応募された方がお仕事中のこともありますので、この場合は時間を決めて後ほど電話をします。

②面接は一週間以内

次に面接の日程です。こちらもなるべく早く基本は一週間以内で提案をします。もちろん現在のお仕事があり一週間以内では予定が合わないこともあります。しかし、他社より早く面接し採用を伝えるためには1日でも早いことが理想です。

採用・不採用の通知も素早く

面接後、採用・不採用に関する通知も数日以内に行います。
会社ごとの審査・手続きもあるかと思いますので何日以内というこはできませんが、長くなるほど応募者の方は他の会社の面接を受け採用通知を受ける可能性が高まります。応募される方の多くは転職を希望すると共に「早く終わらせたい」という気持ちもあります。実際に話してみての良し悪しもありますが、多くの場合は良さそうと感じた会社にだけ応募しておりますので優秀な方、魅力的な方ほど早く連絡することが重要です。

過去にはHJ社でも決定までに一週間以上かけ、採用のご連絡をするも「他社に決めました」とお断りされることが多々ありました。この経験より「採用通知は早く」が出来上がりました。

④報酬の見直し

最後は報酬の見直しです。最初の方にも記載しましたが、エリアの求人を見たり、Indeedのツールを利用して「平均」を把握した上で、少し上になるように設定しました。もちろんダントツで一番高いと良いのですが、簡単には行きません。

なお、特定のエリアで求人を掛けた際に地域の相場よりも明らかに高かったので応募が殺到…しませんでした。1ヶ月で1件ほどで「なぜだろう」と思ったのですが、応募者の方と話すと「時給が高すぎてよほど大変な仕事なんだと思った」と。少し時給を下げたら1週間に数件の問合せや応募が来たというケースもあります。

簡単に上げられない場合は時給制でも労働時間を調整したり、手当を付けるだけでも違います。色々と試してみてください。

2-6. 公式サイト、転職サイト、Googleマップ…求人情報以外も見られている

先の「改善点」に入れても良かったのですが、重要なので別枠としました。
昨今の求職者は、求人情報だけでなく会社の公式サイトや転職サイトの口コミGoogleマップのレビューなども参考にしています。そこまで…と思われるかもしれませんが、皆さんそれだけ真剣です。更にChatGPTやAIの普及により、多くの情報をまとめて確認できるようになりました。ネット上にある情報の重要度はどんどん増しております。
HJ社でも以下のような情報には注力しておりましたのでご紹介いたします。

  • 公式サイト: 会社の情報を詳しく知りたい場合に閲覧されます。会社の理念や事業内容、社員紹介などを掲載することで、会社の雰囲気や魅力を伝えることができます。ごくごく稀ですが住所や電話番号、屋号が古いままだと「この会社大丈夫?」となりかねません。
  • 転職サイトのクチコミ: 他の社員の口コミを確認するために利用されます。良い口コミが多いほど、会社のイメージアップに繋がります。また、悪い口コミにも真摯に対応することで、誠実な姿勢を示すことができます。
  • Googleマップ: 会社の場所や周辺環境を確認するために利用されます。また、情報収集として検索する気はなくてもGoogleで検索をした時点で見えたり、面接に向かう際にナビを利用して施設のレビューを目にする機会はあります。
  • プレスリリース: HJ社のケースですがプレスリリースにて最新情報の発信をしておりました。これがどこまでプラスの影響があるかはわかりませんが、求職者の方が会社名を検索された際に情報が出るのは間違いありません。

2-7. 求人広告に関してHJ社でやったこと、やらなかったこと

最後に求人広告についてお話します。5年間のうち4年ほどはほぼ無料でのみ募集をしましたが、コロナ禍後の人手不足が社会問題化してからはどうしても人数が集まらず有料媒体を使うケースが出ております。ただし、1件の募集に毎月数十万をかけてり、転職エージェントに依頼して年収の何%で何百万も払ったりはしておりません。先にも少し書きましたが広告の正しい使い方を含めて記載いたします。

①広告は「スピード」を買えます

先にも出来きましたが「100回閲覧されて1件の応募」という指標があります。実際に求人を掲載するとわかりますが、時期な内容次第で1日に100回閲覧されるときもありますし、逆に1週間かかっても50回も閲覧されない時があります。ここに広告を使うことで無料掲載より早く100回に到達する…100回閲覧されたら絶対応募があるわけではありませが、それだけ多くの方み見てもらえるようにできるのが広告です。

急いで募集される場合は広告を使うのが良いでしょう。ただし、先にも書きました通り求人情報が全くだめだと広告費が無駄になります。ある程度「これでいけるな」というタイトルや文章、募集要項を作り上げてからが良いでしょう。雑誌や一部のコンサルはこの「良い募集要項」のテンプレートを持っているので、彼らを利用することでよりスピーディな採用が可能になりますが、あくまで可能性の話なのとその分の費用がかかるので注意が必要です。

②広告は効果が出ている媒体に集中投下

次に媒体の選択の話です。私共は基本同じ媒体にまとめて出します。
小さい枠を複数の媒体に…というのも一つの策ですが、そもそも一番安い枠は目立たない事もあります。広告を出すなら「目立つ」が重要であり、そこには単純接触効果…繰り返し見たり、会ったり、接触する回数が増えるほど、警戒心が薄れていき、親しみや親近感を感じるという効果…を活用するためです。

単純接触効果を考え数ヶ月にわたり出したり、最近ではネット広告を連動させた施策やリマーケティング(リターゲティング)広告を活用した方法もあります。

③紙媒体は強いようで、実はネットから応募が来る。でも出す

お店の入り口などにある求人雑誌。これだけネットが主流の時代ですから紙なんか…という声もありますが、HJ社では活用しております。先の単純接触効果の問題で、雑誌を目にしているのでネットで検索した際にも「見たことある求人サイト」を選びます。

Indeedについても一時期はTVCMを打っており、その際は本当に多くの応募がありました。やはり「目にするもの」「聞いたことあるもの」は信頼され利用されるので、何気なく視界にはいる紙媒体は強いといえます。

なお、紙媒体の多くは紙面掲載した会社をネット上の求人情報にも掲載してくれ、更に関連サイトにも表示をしてくれます。HJ社のケースですが紙媒体に載せたらその媒体のネット版から応募が来た…がほとんどです。紙媒体との比率として紙が1、ネットが9といった感じでしょうか。ただそれだけの知名度があるのは紙媒体あってこそ。紙媒体もまだまた広告を出す価値があると言えます。

④お金を出すなら「有名媒体」へ

お次、お金を出すならどの媒体か?ということですが、HJ社では「有名媒体」としております。これは先の単純接触効果もありますが、何よりも求職者の多くが見ているというのがあります。

何度も言いますが100回閲覧されて1件応募がある場合、どうしても一定の閲覧者がいないといけません。特化型の媒体やローカルの媒体もあります。正直、非常に安価なケースもありますが、実際に広告を出してみると反応がありません。数ヶ月出しても反応がなく、トータルだと大手の1ヶ月以上に広告費がかかるケースもありました。

これはHJ社だけの問題かもしれませんが、やはりそれなりの人数がいるサイトに広告費を出すべきだと思います。なお、HJ社は特化型サイトですと「ドライバー特化」「運送業専門」になります。セレモニーディレクターですと異なるかもしれませんので参考までにどうぞ。

⑤HJ社では転職エージェントを使わない

こちらも「HJ社は」という条件付きです。

使わない理由は2つで「①高い」「②マッチするかわからない」です。転職エージェントや有料紹介は「紹介」「入社」が彼らのキャッシュポイント(費用が発生する)です。広告と異なり、確実に1名来てくれるなら…と思いますが、葬祭業は誰にでもできる仕事ではありません。

もちろん事前に条件設定をしたり面接も出来ますし、一定期間内での退職の場合は手数料の一部が返ってきます。

HJ社としてはその「一部返ってくる」費用よりも自社で運用した際の広告費のが安いですし、何よりミスマッチが防げます。万が一ミスマッチが発生しても広告費だけしかかかりません。ちなみにHJ社の今年度の採用費は1名あたり10万円以下となります。募集の獲得だけなら2-3万円程度です。

離職率や広告費、その他を考えて「転職エージェントは使わない」と判断しております。これはあくまでHJ社の、しかも現段階の考えです。こちらも参考までにどうぞ。

以上がHJ社で行ったことです。細かな事を入れるとこの数倍の量をこなし、多くの失敗もしました。しかし、その試行錯誤の結果が5年間でスタッフが倍増すると共に、高齢化が問題となるドライバー職で平均年齢が下がるという結果だと言えます。是非ともできるものからお試しください。

少しでも読んでいる方の採用に効果があれば幸いです。

3. 中小企業必見!今すぐできる応募増に繋がる求人手法5選

色々と書きましたが、では実際に記事を読んでいただいている方がすぐにできそうなことは?というのを簡単にまとめさせて頂きます。サイト毎の使い方やデータ収集用のツールについては長くなるので控えさせて頂き、こんな事が出来ますよというのを簡単に羅列します。

エリアでの競合調査

まず求人をかけたいエリアで競合となる会社の求人情報を調査し、自社の強みを明確にしてください。
競合企業の求人内容や給与水準などを把握し、自社の条件と比較することで強みや弱みが見えますし、そこから求職者目線での求人情報を作ることできるようになります。

掲載サイトを増やす

まず1サイトの求人をしっかり作り、それをできる限り無料サイトで横展開してください。一人でも多くの求職者の目に触れるように、その中にきっとあなたの会社とマッチする方がいるはずです。
大手求人サイトだけでなく、業界特化型の求人サイトや地域密着型の求人サイトなども活用することで、ターゲットとする求職者層にアプローチすることができます。広告では「大手」と言いましたが、無料であればできる限り多くに掲載すると良いでしょう。HJ社でも5件求人情報を載せトータルで月100件も閲覧が発生しないサイトから2件の応募があったというようなケースもあります。

データの収集

改善のために重要なデータ収集です。応募数やクリック率などのデータを収集し、分析することで、改善点を見つけ出します。ホームページにGoogle Analyticsを設置しアクセス解析するのも一つです。
また、様々な施策により数値が増えることで「私、頑張ってるなぁ」という励みにもなります。応募がなくても見てもらえてるならタイミングの問題もあります。

求人タイトル、文章の見直し

既に求人サイトへ情報を掲載されている方は求職者目線で魅力的なタイトルをや文章にしてください。具体的な数字やメリットを盛り込み、読みやすくわかりやすい文章にすることで、求職者の興味を引くことができます。またキーワードの選定についても説明した通りで、実施していない会社ではこの変更だけで差があるはずです。

写真や動画と言った素材の拡充

仕事内容や会社の雰囲気が伝わる写真や動画を掲載します。社員インタビュー動画や職場紹介動画などを掲載することで、求職者はより具体的に仕事のイメージを掴むことができます。求人情報をつくりつつ、社内で収集しておくと良いでしょう。

以上のような事が直ぐにできる求人の改善策です。あと求人以外の部分でできることも記載しておきます。

4. 求人だけじゃない!採用と並行して行うべき3つの施策

最後に求人だけではない施策です。HJ社ですと求人サイト以外の情報を拡充したり、採用までのスピードを上げるなどがありましたが、他にも出来そうな事を入れておりますので参考になれば幸いです。

一部外注化で業務負荷を下げる

求人業務の一部を外注もですが、単純に業務を分業化するのも一つです。
HJ社では葬儀社向けに夜間業務代行というサービスを提供しています。

夜間業務代行  株式会社ハース・ジャパン

https://hearse-japan.co.jp/service-to-b/nightservice

上記のサービスを導入したことで「夜勤」「宿直」がなくなり採用が進んだ会社がいくつもあります。
夜勤は葬祭業では必須とも言えますが、働く方からすると負担が大きかったり家庭の事情で夜勤が出来ない方もいます。また、多くの葬儀社が「夜勤」を必須とするなか「夜勤なし」は一つの特徴にもなるわけです。

他にも搬送業務を外注化し体力が無い方も仕事がし易い環境にしたり、電話を外注化し顧客の対応中や搬送中、休日も電話がなるという状況を改善されたケースもあります。搬送やコールセンターもHJ社で請け負っておりますので事例として紹介しましたが、他にも重要度の割に負担が大きい仕事や知識や経験が影響しやすい業務は外注化するのも一つと言えます。

私共HJTでも広告や求人のコンサル、管理代行を請け負っております。弊社に限らず「プロに任せる」は自社で一からトライ&エラーを繰り返すよりも素早く結果を得られるので検討してみてはいかがでしょうか。

公式サイトやGoogleマップの情報を整理

先にも記載した通り、求職者の方は情報収集をする中で様々な情報に触れます。会社のホームページの情報を最新の状態に保ったり、Googleマップ上の情報をきちんと管理する事も重要です。これらも弊社HJTでは得意としております。

昨今、葬儀社や葬儀ホールでも「Googleマップの対策、MEOをしませんか!?」「グーグルビジネスプロフィール(旧舞ビジネス)で集客しませんか」と言われますが、弊社の代表は2015年から管理・運用をしており、合わせてGoogle広告のパートナーでもありました。葬儀業界以外にはGoogleビジネスプロフィールと同様のサービスでYahooやアップル、マイクロソフトが提供するものも管理や運用をしております。

求人サイトだけではなく、オンライン上の情報を管理するのは求人にプラスとなりますし、本来の目的である集客にも影響があります。外注をせずとも管理・運用は必須になっていきますので是非とも検討してみてください。短期以上に中長期で大きな差が生まれやすいポイントとも言えます。

SNS、その他での情報発信

会社のホームページ同様、ブログやSNS、地元へのチラシやリアルでのイベントも含めた情報発信が重要です。

何度か出てきました単純接触効果、これは非常に重要です。「TVはオワコン」なんて言われますが、未だにTVで紹介されると行列が出来ますし、TVCMも同様に枠が売れています。広告が売れないとAC(公共広告機構)のCMが増えたりしますが、皆さんなかなか見ないでしょう。
その裏には単純接触効果を狙った企業の戦略があり、その効果が広告費に見合ったものであると言えます。TVCMは気軽に出せるものはありませんのでSNSにや動画サイト、ブログもありますし町の立て看板やポスティング、ホールでのイベントや地域交流も一つのCMです。

特に地域との関係が重要な葬儀社はランチェスター戦略により地域特化で大手に勝ちやすいというのがあります。これについてはまた別の機会にご説明しますが、地方の小さい葬儀社が上場企業や大手仲介業者に勝つ方法もあわるわけです。その要員の一つに「地域の方への情報発信」がありますから、是非とも様々な手段で情報発信をしてください。それは単純な求人以上に、葬儀の依頼増といった結果に繋がっていくでしょう。

まとめ

この記事では、求人が来ない時に試すべき効果的な手法を、5年でスタッフを倍増させドライバーの平均年齢を下げることに成功したHJ社の事例を基に解説しました。この記事で紹介した施策を参考に、ぜひあなたの会社の採用活動を成功に導いてください。

またこの記事で紹介した施策は、あくまで一例です。自社の状況に合わせて、最適な方法を選択することが重要ですし、ここにも載ってない手法があるはずですから継続して探してみてください。私共HJTでもまた一定数たまったら記事という形で公開させて頂きます。

最後に、採用活動は長期的な視点で取り組むことが大切です。すぐに結果が出なくても諦めずに、改善を続けていくことで、必ず成果に繋がります。この記事が、あなたの会社の採用活動の一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

HJTの代表です。学生時代よりWeb制作および管理を行い、広告代理店に就職しオンライン・オフライン共に広告を学ぶ。SEOコンサルでは半年で月10万PVを越えるサイトを複数立ち上げる。一時、GooglePartnerとしてGoogleAdsを運用し、Google Business Profile(旧 マイビジネス)やプレスリリースを活用した広告、オンラインとオフラインを複合的なPRが得意。

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